こんにちは、なっしゅです。
ドイツビールは北へ行けば行くほどホップ感が強くなり辛口になる傾向があります。
ホップ感が強く辛口なピルスナーとしては同じくドイツ北部産のJever(イェヴァー)などがありますが、今回紹介するビールはさらに北で醸造されているビールです。
Jever Pilsenerについて詳しくはこちら!
さて、今から紹介するのは、デンマークとの国境からわずか南、ドイツ最北の町として知られるFlensburg(フレンスブルク)のビール、Flensburger Pilsener(フレンスブルガー)です。
小柄なボトルにフリップトップの栓、ブランドロゴの船のデザインがトレードマークのFlensburger、きっと目にしたことがある方もそれなりにいるのではないでしょうか?
私の住む南ドイツエリアではあまり見かけませんが、北部の町やドイツの首都であるベルリン(ミュンヘンから見ればかなり北)ではスーパーなどで普通に売っているところが数多くありました。
ドイツ北部のビールとしてとても愛されているFlensburger、一体どのような味なのでしょうか…
それではFlensburger Pilsenerを紹介していきます!
Flensburger Pilsenerの紹介
Flensburger の生産地
Flensburger(フレンスブルガー)の醸造所はドイツ北部のデンマークとの国境付近、シュレスヴィヒホルシュタイン州(Schleswig-Holstein)フレンスブルク(Flensburg)にあります。
地図で見ればすぐに分かりますが、ほぼデンマークです。Flensburgはドイツ最北端の町として知られています。(厳密にはまだ小さな自治体がさらにデンマーク寄りにありますが、ある程度の規模の街としてはFlensburgがドイツ最北端です。)
ちなみに一つトリビアです。ビールには関係ありません。
ここFlensburgには連邦自動車庁(Kraftfahrt-Bundesamt)があります。日本でいう陸運局のようなものを統括しているお役所です。
交通規則違反の違反点数などの処理もこのお役所で管理されるため、ドイツでは保険加入の際などに、
”Haben Sie Punkte in Flensburg?”(フレンスブルクに点数持ってる?)
などと聞かれます。
実際、交通違反点数のことをドイツ人はまんま”フレンスブルクの点数”といいます。もはやこの呼び方が通俗化しています。
Flensburgの得点は交通違反の点数なので、良いものではありません。
このお役所がここにあるせいでフレンスブルクって聞くとあまり良い意味ではないと勝手に想像してしまいます。笑
Flensburgerの歴史
Flensburgerは1888年に、Flensburger Export-Brauereiとして創業します。
創業当時はヘレスをベースとしたエクスポートタイプ(Exportbier)と、バイエルンで当時主流であったデュンケルタイプ(Dunkel)の生産をメインに行っていました。
1922年、”ドイツで最もビターなピルスナー”としてFlensburger Pilsenerが誕生します。
その後第二次世界大戦により生産量は劇的に減少しますが、連合軍の駐留によりビールの需要が高まったため、生産を続行することができました。
1980年代についにドイツ全土(当時の西ドイツ)へ販売網を拡大することに成功します。
工場火災などの災難にも見舞われますがその後も順調に復活と成長を遂げ、2018年には6千万リットルの年間生産量に達します。
Flensburger Pilsenerの見た目
ピルスナーとしてはかなり薄めの色をしています。ヘレス(Helles)の色合いにとても近いですが、そのホップの香りで違いは一目(香?)瞭然です。
ドイツビールでもトップクラスのホップ感と言われるもう一つのピルスナー、Jever Pilsener(イェヴァー)と比較してみましょう。
色の濃さの違いがよくわかります。
Jever Pilsenerが濃い色をしているわけではなく。Flensburger Pilsenerはやはりピルスナーとしては薄めの色です。
ですが香りの強さは両者とも負けていません。
Flensburger Pilsenerはその色こそ若干薄いものの、グラスに注いでいるときからホップの爽やかで青々しい香りを楽しむことができます。
炭酸は若干強めでシュワシュワ感が見て取れますが、ピルスナーとしては標準的な強さです。
それでは実際に飲んでみましょう。
Flensburger Pilsenerの味
まず最初の一口。
口当たりはとてもさっぱりしていて淡白な印象を受けます。
しかしすぐさまホップの強めな苦味と爽やかな香りが合わさったものが口いっぱいに広がります。
ホップ感こそなかなか強烈なビールですが、とても淡白でスッキリしていて、かつキレも良くのどごしも良好です。
飲み進めていくうちにホップ由来のビター感はさらに増していきます。
舌の上はもちろんのこと、ビールが通った喉の奥の方からもホップの香りが伝わってくるようなドライ(辛口)で刺激的なピルスナーです。
キレが良いため後味がずっと続く感じではないですが、ホップの爽やかな苦味と香りは長く続き、後味としてもしっかりとホップ感を楽しむことができます。
Flensburger Pilsener ビールレポート
ビール好きの筆者なっしゅによるFlensburger Pilsenerの独断レポートです。
ビールカテゴリー – Bierstil | ピルスナー |
アルコール度数 – Alkoholgehalt | 4.8% |
麦汁比重 – Stammwürze | 11.3% |
発酵種類 – Gärung | 下面発酵 |
カロリー(100ml) – Brennwert | 164 KJ / 39 Kcal |
原材料 – Zutaten | 水・大麦・ホップ・酵母 |
さすがはドイツビールとしてトップクラスにホップ感が強いと言われているだけあります。
Flensburger Pilsenerはとてもホップ感の強いビールですが、そのスパイシーかつドライな味わい故に際立つすっきり感とキレ、のどごしが特徴的なビールです。
ホップ感もただ単に苦いだけではなく、心地よい刺激と爽快感を生み出しているため、Flensburger Pilsenerのキャラクター確立に大きく貢献しています。
アルコール度数は4.8%と標準的な強さです。
まとめ
Flensburger Pilsenerはその独特なホップ感とドライな味でまさに醸造所のある北の海を表現しているようなピルスナーです。
モルト由来のコクや甘みはほとんど感じられないため、ドイツビールによくある内陸のイメージはまったく無く、ドイツ北部の海沿い、しかも北の冷たい海のイメージがぴったり当てはまります。
苦味が強いため、ビール初心者や苦味が苦手な方にはおすすめはしません。笑
ですがピルスナーを代表するこういったドライでホップ感強めのビールはその苦味が癖になるので、最初は苦手でも飲み続けているうちに好きになっていることが多いです。
モルトのコクを重視する南ドイツのビールにはまず無い味で、個人的に気分転換に普段とは違うビールを飲みたくなったとき選びたいビールの一つでもあります。
辛口でドライな刺激、のどごしを求めるビール好きの方にはぜひ一度トライしていただきたいホップ感満載のドイツビール、Flensburger Pilsenerの紹介でした!
ピルスナーの上品な香りを楽しむのであれば是非専用のグラスと一緒にお試しください!おすすめはこちら!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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