こんにちは。なっしゅです。
今回はPilsner Urquell(ウルケル)に続きチェコビール第二弾です!
Pilsner Urquell(ウルケル)について詳しくはこちら!
”Budweiser”と聞くと、有名なビールを思い浮かべますよね。
”バドワイザー”
そうです。アメリカ生まれの世界的ビールです。
でも今回紹介するのは”バドワイザー”ではありません。
”Budweiser”と表記は同じですが、まったくもって別モノである歴史あるチェコ産ピルスナー、Budweiser Budvar(ブドヴァル)を今回は紹介していきます!
Budweiser Budvarの紹介
生産地
Budweiser Budvar(ブドヴァル)の醸造所はチェコ共和国南ボヘミア地域にある町、チェスケー・ブジェヨヴィツェ(チェコ語名: České Budějovice)(ドイツ語名:Budweis)にあります。
地名がそのままビールのブランド名になっているため、地元チェコでは”Budějovický Budvar”と呼ばれ広く愛されています。
しかし世界的にはドイツ語名である”Budweiser Budvar”のほうが有名かもしれません。
醸造所は近代化が図られており見た目はきれいですが、その歴史は長く創業は1795年です。
以前からビール醸造がとても盛んだった南ボヘミア地域にあった醸造所を集約化して、公立の市民醸造所(Budweiser Bürgerbräu)として設立されたことが始まりです。
チェコのBudweiser(ブドヴァル)とアメリカのBudweiser(バドワイザー)
さて、ではなぜチェコ産のBudweiser Budvar(ブドヴァル)と、アメリカ産メジャービールであるBudweiser(バドワイザー)が両方あるのでしょう。
一言で要約すると、
アメリカのBudweiser(バドワイザー)が名前をパクった。
というのが答えです。
もう少し詳しく説明します。
誕生して以来、ピルスナーとして絶大的な人気を誇っていた本家本元のチェコビール、Budweiser Budvar(ブドヴァル)の名前をつけたら売れるというのでは?と、アメリカンBudweiser(バドワイザー)の創業者が勝手に命名したことが事の発端です。
しかしながら両社はまったくもって関係のない2社で、後に商標権で争うこととなります。
現在欧州でBudweiserといえばチェコ産のブドヴァルを表し、
アメリカでBudweiserといえばアメリカ産のバドワイザーというようになっています。
というのも、商標上、欧州ではアメリカのBudweiser(バドワイザー)はBudweiserという名前を使ってはいけないことになっています。
逆にオリジナルBudweiserであるチェコ産のブドヴァルは、アメリカ国内でBudweiserとは名乗れず、どちらも異なる名前で販売されています。
ああややこしい。笑
でもこれって現代だと例えばこんな感じですよね。
「うちのスマホ売れないから商品名iPhoneにしたら売れるかも。笑」
昔だからこそできたなかなかの荒業です。
しかも皮肉なことにアメリカのBudweiser(バドワイザー)は世界で最も売れているビールの一つとなります。
話がそれてきたので軌道修正します。
それでは実際にBudweiser Budvarを見ていきましょう!
見た目
チェコビール特有の透き通った美しい黄金色です。
Pilsner Urquell(ウルケル)もそうですが、チェコ南部では軟水が湧き出ます。
そして軟水は、濁りのないきれいな黄金色のビールを造るのに最も大切な要素の一つです。
今でこそミュンヘンのビールはヘレスなどを代表とした透き通ったビールがたくさんありますが、その昔技術がまだ乏しかった頃のミュンヘンビールはDunkel(デュンケル)のような暗い色のビールが主流でした。
チェコのピルスナーはいつ見ても絵になるようなビールばかりで視覚的にも楽しむことができます。
炭酸はラガービールとしては普通でそれなりにシュワシュワしています。
泡は立ちますが、すぐに消えてなくなります。
それでは飲んでみましょう。
味
チェコ産ピルスナー特有であるホップの華やか香りを、グラスに注いだ瞬間から感じることができます。
その強く青々しいホップの香りから、味も相当ホップ感が強いのかと思いきや、以外にも味は落ち着いています。
それでもホップ感は強いほうなのですが、鼻から香りとして感じる青々しさとは裏腹に、角のない爽やかなホップの苦味が広がっていく感じです。
ラストはモルトのコクをがふわっと立ち上がり、爽やかなホップの苦味がゆっくりと引いていきます。
飲み終わった直後も舌の上にはホップの苦味とモルトのまろやかな甘味が両方残ります。
香りとは違った風味でとても飲みやすいピルスナーです。
Budweiser Budvar ビールレポート
ビール好きの筆者なっしゅによるBudweiser Budvarの独断レビューです。
ビールカテゴリー – Bierstil | ピルスナー |
アルコール度数 – Alkoholgehalt | 5.0% |
麦汁比重 – Stammwürze | 11.9% |
発酵種類 – Gärung | 下面発酵 |
カロリー(100ml) – Brennwert | – |
原材料 – Zutaten | 水・大麦・ホップ・酵母 |
チェコ産ピルスナーといえばBudweiser Budvar(ブドヴァル)かPilsner Urquell(ウルケル)といわれるくらい有名な2大ピルスナーのうちの一つです。
せっかくなのでちょっと比べてみましょう。
アルコール度数は5.0%とピルスナーの中では標準的な強さですが、Pilsner Urquellと比較すると強めです。(とはいっても一般的なビールと同等の5%なのでご心配なく。)
同時に撮影した画像ではないので光の加減等もあるかもしれませんが、Pilsner Urquellのほうが若干色味が薄い気もします。
どちらも美しい色合いであることには変わりありませんが。
さて、Budweiser Budvarの裏面の表示を見たら面白い発見がありました。
チェコ産ビールのはずなのに、”Gebraut nach dem deutschen Reinheitsgebot.”(ドイツビール純粋令に則って醸造。)の文言が見えます。これは面白いですね。
ドイツ語圏で販売するためにわざわざつけたのでしょうか。
ドイツ国内で販売される輸入ビールに関して純粋令は免除されているので、販売に際して特に必要ではありません。しかしきっとこの一言が、ビールの品質と味の保証になるということかもしれません。
まとめ
Budweiserは世界に2つありますが、本家本元のチェコ産ピルスナーBudweiser Budvar(ブドヴァル)とアメリカ産Budweiser(バドワイザー)はまったくもって無関係ということがわかりました。
そしてBudweiser Budvarはチェコ産ピルスナーの代表格とも言えるビールなので、味、見た目、ホップの香り、その全てがザ・チェコピルスナーという感じのビールです。
でもその華やかなホップ感の中にモルトの優しい味わいが感じられるところが魅力の一つです。
今回は缶タイプのビールで紹介しましたが、ボトルタイプのものもドイツでは購入可能です。
(近くに売っていなかったので今回は断念。)
日本へももちろん輸出されているビールなので、見つけた時はぜひ一度試してみてください!
チェコビールの美味しさにきっとハマるはずです!
ピルスナーの味、香り、見た目をより楽しむのであれば、ピルスナー専用のグラスがおすすめです!
それでは最後までお読みいただきありがとうございました!
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