今回紹介するのは、バイエルンに住んでいる方ならきっと見たことがあるビール、Chiemseer(キームゼーアー)です。
Chiemseer(キームゼーアー)醸造所はミュンヘンからさらに南へいった街、Rosenheim(ローゼンハイム)にあります。
ご当地ビールの一つではありますが、最近はミュンヘンを含むバイエルン南部地域では普通のスーパーなどでも販売されていて、意外な人気を博しているビールの一つです。
今回はそんなChiemseerのヘレスを紹介していきたいと思います!
Chiemseerの紹介
生産地
ドイツビールといえば生産地がそのままブランド名になる事が多いです。
Chiemseerも例に漏れず、Chiemsee(キームゼー)という湖の名前がそのままブランド名となっていますが、実はChiemseeに醸造所はありません。
冒頭でも書いたように、醸造所があるのはバイエルン南部の都市、Rosenheim(ローゼンハイム)にあります。
地図を見ていただければわかるのですが、Chiemseeというドイツでも有名な観光地である湖は、醸造所のあるRosenheimからはだいぶ離れています。
ですが名前はChiemseerです。
実はこれ、法廷争いに発展している事案なのです。
その場所で造られていないのに、あたかもその場所で醸造しているかのように見えるブランド名は、景品表示的に不当だとして、ミュンヘンの高等裁判所から販売を止めるよう指示されたことが事の発端です。
確かに裁判所の言いたいことはわからなくもないです。
これを受けてChiemseerは対策を施します。
ということでChiemseerのラベルを一度よく見てみましょう。
”ChiemseerーGebraut in Rosenheim am Inn”と生産地がRosenheimであることが明記されるようになりました。
また裏面ラベルにも、醸造所とChiemseeの位置関係を表した地図が載っています。
このように、消費者に誤解を与えない工夫を凝らしながら現在でもChiemseerというブランド名で販売を続けています。
Chiemseer、実はローゼンハイム産でした。笑
とまあこういったお固い話とビールの話は別ものです。ビール紹介に戻りましょう。
見た目
見た目は通常のヘレスです。
少し色味が濃い印象を受けましたが、キャラクターは完全にヘレスです。
泡立ちもラガービール。グラスに注いだ直後はきれいな泡が出来上がるのですが、すぐにいなくなります。
それでは飲んでみましょう。
味
見た目通りというのでしょうか。
若干色が濃いので、モルト系のコクが強めなのかなとは思っていましたが、そのとおりでした。
口に含んだ瞬間からモルト特有の甘みが強く感じられ、ホップ感はかなり控えめとなっています。
ヘレスの特徴を存分に表現している感じです。
最初から最後までふんわりとした甘みが続き、しばらくするとほのかにホップの爽やかな苦味を感じることができます。
炭酸もそこまでシュワシュワしてはいないですが、後味として感じられる優しいホップ感が清々しさを生み出しています。
落ち着いた味わいの飲みやすいビールです。
Chiemseer Hell ビールレポート
ビール好きの筆者なっしゅによるChiemseer Hellの独断レビューです。
ビールカテゴリー – Bierstil | ヘレス |
アルコール度数 – Alkoholgehalt | 4.8% |
麦汁比重 – Stammwürze | 11.5% |
発酵種類 – Gärung | 下面発酵 |
カロリー(100ml) – Brennwert | 158 KJ / 38 Kcal |
原材料 – Zutaten | 水・大麦・ホップ・酵母 |
Chiemseerはヘレスの伝統的なキャラクターを踏襲した、モルト感が印象的なビールです。
モルトのコクと甘みの中に、ほんのりとホップ感を感じることができ、これが爽快な香りを作り出しています。
アルコール度数は4.8%。通常のヘレスと同等レベルです。
ヘレスの中でもモルトの甘味が強く活かされた風味となっているため、ビールの苦味が好きではないという方に是非オススメしたいビールです!
まとめ
ブランド名ではいろいろと問題があるようですが、それとビールは別問題です。
バイエルンといえばヘレスということで、そのキャラクターを存分に引き出したモルト感強めのビールで、とても飲みやすいです。
地元に限らず、ミュンヘンやその他の周辺地域でも人気があることがよくわかる美味しいビールです。
ちなみにChiemseerは、ヘレスしか造っていません。
ヘレス限定の醸造所としてのプライドも飲みながら感じることができました。
ローゼンハイムやミュンヘン、キームゼーへお越しの方は是非一度お試しください!
ヘレスを含むラガービールを楽しむのに最適なグラスはこちら!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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