こんにちは、なっしゅです。
今回のビール紹介に入る前に、まずあまり聞き慣れないビールの種類であるケラービール(Kellerbier/Zwickel)について軽く紹介します。
ケラービール(Kellerbier/Zwickel)とは?
酵母を取り除かずにそのまま瓶詰めしたしたラガービールであるケラービール(Kellerbier/Zwickel)は、その昔醸造所のマイスターたちしか飲むことができなかったビールです。
そんなケラービールも現在では一般的に楽しめるようになっています。
今回紹介するケラービールは、世界最古の醸造所として知られるWeihenstephan(ヴァイエンシュテファン)が造る、Weihenstephaner 1516 Kellerbierです。
1516といえばビールの歴史で最も有名な出来事の一つ、ビール純粋令(Reinheitsgebot)が制定された年です。
恐らく無濾過が主流であった昔のビールを再現したビールという意味合いがあるのでしょう。
それではWeihenstephaner 1516 Kellerbierを紹介していきます!
Weihenstephaner 1516 Kellerbier の紹介
生産地
Weihenstephan醸造所はミュンヘン北部近郊の町、Freising(フライジング)にあります。
Weihenstephaner 1516 Kellerbierの見た目
ラガービールですがやはり酵母を濾過していないだけあって、色合いはかなり濃い目で濁っています。
ピルスナーやヘレスの透き通った黄金色というよりか、上面発酵で無濾過がスタンダードである白ビール(Weißbier/Weizen)にかなり似ています。
グラスに注いでいるときからモルトの香ばしい香りと、ホップの爽やかな香りがほどよく混ざりあった香りを楽しむことができます。
見た目は白ビールのような感じですが、ビール自体のキャラクターはやはりラガービールです。
白ビールのような芳醇な香り、いわゆる”バナナ感”のようなものはありません。
泡も白ビールのようにもこもことした泡ではなく、ラガービール特有のさらさらとした泡ができます。
Weihenstephaner 1516 Kellerbierの味
まず一口目。
口当たりはとてもなめらかなのですが、濾過していないことだけあって酵母特有の重めのコクが特徴的です。
ホップ感はそれなりに強く、爽やかな苦味と香りがいっぱいに広がり、鼻腔を刺激します。
口に含んだときはホップ感が強めで香り高い味が特徴的ですが、飲み続けていくと次第にモルト特有の香ばしさとコクが後から広がっていきます。
飲み進めていくにつれてモルト感は強くなりますが、のどごしの後にホップ感が香り、そのコク深い味わいの中にキレもあります。
ホップ感は飲み終えた後もふんわりと香り続け、酵母の特徴的な苦味とともに舌の上にふんわりと残ります。
この酵母特有の苦味には少しクセがありますが、ケラービールのキャラクターであるスパイシーさを楽しむことができます。
ある程度苦味が落ち着いてくると、パンを噛みしめたときのようなモルト由来の優しい香りとと風味がほのかに香り続けます。
Weihenstephaner 1516 Kellerbier ビールレポート
ビール好きの筆者なっしゅによるWeihenstephaner 1516 Kellerbierの独断レビューです。
ビールカテゴリー – Bierstil | ケラービール |
アルコール度数 – Alkoholgehalt | 5.6% |
麦汁比重 – Stammwürze | 12.6% |
発酵種類 – Gärung | 下面発酵 |
カロリー(100ml) – Brennwert | 176 kJ / 42 kcal |
原材料 – Zutaten | 水・大麦・ホップ・酵母 |
Weihenstephaner 1516 Kellerbierは、普段あまり見かけないケラービール(Kellerbier)の一つです。
酵母を濾過せずにボトリングすることによって、酵母特有のスパイシーの味を楽しめることができる反面、その苦味にはなんともいえないクセがあります。
ホップの爽やかな苦味とは違う、ピリッとするようなスパイシーさが特徴です。
アルコール度数は5.6%となっていて、ヘレスやピルスナーをはじめとする通常のラガービールよりは若干強めですが、メルツェン(Märzen)タイプと同じくらいの度数です。
まとめ
世界で最も古い醸造所と言われているWeihenstephan(ヴァイエンシュテファン)が造るWeihenstephaner 1516 Kellerbierは、そのネーミングにある通り、当時のビールの味を蘇らせたラガービールなのだと飲んでみて感じました。
現在では濾過され透き通ったラガービールが最も一般的なビールとして世界中で愛されていますが、そのビールの歴史を振り返りながら無濾過のラガービールを飲むのもまた面白いです。
濾過していない分、ビール本来の風味をすべて含んでいるビールで、もちろん酵母特有のクセのある風味もありますが、それと相まったモルトのコクとホップの爽やかさはまた格別です。
ここ最近様々なブランドがケラービール(Kellerbier/Zwickel)を造っているため、飲み比べてみるのも面白いかもしれません。
ミュンヘンでここ最近最もよく見かけるケラービールといえばこれ。
Giesinger(ギージンガー)のケラービールです。
Giesingerについて詳しくはこちら!
それでは今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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