さて、タイトルでもうおわかりであると思いますが、今回紹介するビールはなかなかハードなビールです。
なんとアルコール度数12%。
ワインでは標準的な度数なのかもしれません。
しかしビールのアルコール度数は4.5%から6.0%程度が標準的な強さであるため、12%は桁違いに強いビールということになります。
そんなビールを造っているのはもうすでにご存知かもしれませんが、ミュンヘン生まれの老舗白ビールブランドであるSchneider Weisse(シュナイダーヴァイセ)です。
12%ものアルコールとなると、どんな味になっているのか想像もつきませんよね。
アルコール分が高い=辛くピリピリしていて攻撃的…なんてイメージがあります。
でも高アルコールのビールは以外にもそうではないのです。
どんなビールなのか気になりますよね!それでは12%という強アルコールビールである、Schneider Weisse Aventinus Eisbock (TAP09)を紹介します!
Schneider Weisse Aventinus Eisbock (TAP09)の紹介
生産地
Schneider Weisse創業の地はミュンヘンですが、現在ミュンヘン市内には現在ビアホールしかありません。
現在の生産地はイエルン州レーゲンスブルク(Regensburg)近郊の町ケールハイム(Kelheim)です。
ボックビール(Bockbier)について軽く紹介
ボック(Bockbier)とは、強ビール(Starkbier)の一つです。
強いビールということだけあってボックになれるのは麦芽比重が高く、アルコール度数が6.5%以上のものと決められています。
発酵の種類は上面発酵でも下面発酵でもボックは造ることができます。
今回紹介するSchneider Weisse Aventinus Eisbockは、小麦を原材料に使用した白ビールのボックなので上面発酵タイプとなります。
ボックにもヘレスボック(Helles Bockbier)やドッペルボック(Doppelbock)、アイスボック(Eisbock)と様々な種類が存在しますが、Schneider Weisse Aventinus Eisbockは名前の通りアイスボックです。
アイスボック(Eisbock)はボックスタイルのビールの中でも最もアルコール度数が高く濃いです。
理由は、醸造されたビールを一度凍らして水分を取り除き、アルコールをさらに濃縮させているからです。名前がアイス(Eis=氷)ボックというのも納得です。
Schneider Weisse Aventinus Eisbock (TAP09)の見た目
ボックビール(Bockbier)なので、かなり濃い色をしていますが、真っ黒というわけではありません。
ダークブラウンを限りなく黒に近づけたような色をしています。
グラスに注いでいるときにも思ったのですが、ビール自体の粘度が高く、かなりねっとりとしている印象を受けました。
これはボックの特徴であるともいえますが、Schneider Weisse Aventinus Eisbockは名前の通りEisbock(アイスボック)なのでより糖度が高く重いビールとなっています。
それでは実際に飲んでみましょう。
Schneider Weisse Aventinus Eisbock (TAP09)の味
専らモルトの重厚なコクと甘み連想させる香りがプンプンしています。
その香りの通り、口に含んだ瞬間からモルトの強烈な甘味とコクが口いっぱいに広がり鼻に抜けます。
アルコールの強さというより、へばりつくような甘みと口当たりにまず驚きます。
はちみつと黒砂糖を混ぜてどろどろに溶かしたカラメル状のものといえばなんとなく伝わりますかね…笑
飲み始めの頃はその特徴的かつ重厚な甘みが際立っていて飲みやすく感じるのですが、その後やはり12%という強力なアルコールの刺激が鼻腔を刺激します。
ビールの味としてはとてつもなく甘く濃厚なのですが、アルコールの刺激と香りはやはり、10%を超えていることだけあってワインを飲んでいるときのようなアルコール味がします。
アルコールの香りが落ち着いてくるラストにかけて再びモルトの深いコクと甘味が広がります。甘みが引いていった後に感じる味は、豆や穀物由来の風味が後を引くような風味が残ります。
納豆から臭みを取り除いたあとの大豆の風味のような感じです。(文字で伝えにくい。笑)
決して納豆臭いわけではありません。笑
伝えたいのはその大豆や穀物由来の後味が強く後に残るということです。(モルトも穀物。)
炭酸はほとんど感じられず(まあ凍らしているから炭酸は製造過程で抜けます)、ホップ感も皆無に等しいです。
キレやのどごしももちろん無く、ひたすら濃厚さ、甘さ、そしてモルトの深いコクを追求したビールとなっています。
黒蜜のような風味が特徴のSchneider Weisse Aventinus Eisbockは、その甘さとコクの強さゆえにデザート用として最適です。
Schneider Weisse Aventinus Eisbock (TAP09) ビールレポート
ビール好きの筆者なっしゅによるSchneider Weisse Aventinus Eisbock (TAP09)の独断レビューです。
ビールカテゴリー – Bierstil | アイスボック(Eisbock) |
アルコール度数 – Alkoholgehalt | 12.0% |
麦汁比重 – Stammwürze | 25.5% |
発酵種類 – Gärung | 上面発酵 |
カロリー(100ml) – Brennwert | 375 kJ / 90 kcal |
原材料 – Zutaten | 水・小麦・大麦・ホップ・酵母 |
生産過程で一度凍らせて、余分な水分を取り除き濃縮させたアイスボック(Eisbock)であるSchneider Weisse Aventinus Eisbockは、アルコール度数12%を誇る強ビール(Starkbier)です。
濃縮しているだけあって、カロリーもしっかりと濃縮されています。笑
通常のピルスナーや白ビール(Weißbier/Weizen)が40kcalから50kcal程度であるのに対し、Schneider Weisse Aventinus Eisbockは100mlあたりなんと90kcalです。ほぼ2倍ですね。まああれだけ甘いのなら理解できます。
アルコール度数は何度もお伝えしている通り12%です。ピルスナーなど一般的なビールと比較しても2倍以上はあります。
しかしながら単にアルコールがきついビールなのではなく、黒蜜のような濃厚な甘みと深いコクが特徴的なビールとなっています。
お酒は甘いもののほうが以外にアルコール度数が高いこと、よくありますよね。
Schneider Weisse Aventinus Eisbockに突き刺さるようなアルコールの刺激はなく、その芳醇な甘みをより引き立たせるようなアルコールの香りとなっています。
食後のデザートに、アイスなどに合わせて飲むのに適したビールのような気がします。
風味が強烈なので、食事には不向きです。
まとめ
12%のアルコールを含むアイスボック(Eisbock)、Schneider Weisse Aventinus Eisbockはその高アルコールをもってモルトの深いコクと甘みを最大限に引き出したビールとなっています。
ビールの一般的なイメージであるホップ感と炭酸によるのどごしやキレはこのビールとは無縁ですが、デザートなどと合わせてちびちび味わうビールとしてうってつけです。
ビールではありますが、蒸留酒やワインのようにしっぽりと飲むスタイルのために存在するカテゴリーがアイスボックなのだと思います。
一見アルコール度数だけ見ると強烈そうで敬遠しがちなビールだと思いますが、付け合せの食べ物を選んで楽しむことによってよりその旨味を味わうことができる、そんなビールです。
もし機会があれば1度お試しください。飲む前の印象(アルコール度数)よりも飲んだ後のその味の印象のほうが強くなること間違いありません!
それでは最後までお読みいただきありがとうございました!
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