ドイツ国内に数多く存在するピルスナーブランドの中でも、全国的に名の知られているブランドはごく僅かです。
日本ではあまり馴染みのない名前かもしれませんが、Veltins(フェルティンス)は醸造所のあるドイツ西部ノルトラインヴェストファーレン州において絶大な人気を誇っており、ドイツ全土でも販売されているメジャードイツビールの一つです。
今回はそんなメジャードイツビールの一つ、Veltinsのピルスナーを紹介していきます!
Veltins Pilsenerの紹介
Veltinsの生産地
Veltins(フェルティンス)の醸造所はドイツ西部Nordrhein-Westfalen(ノルトラインヴェストファーレン州)Dortmund(ドルトムント)近郊の町Meschede(メシェデ)にあります。
すぐ北にはこれまたドイツピルスナーで有名なWarsteiner(ヴァルシュタイナー)の生産地であるWarstein(ヴァルシュタイン)もあります。
Warsteiner(ヴァルシュタイナー)について詳しくはこちら!
この一帯はSauerland(ザウアーラント)と呼ばれる地域で、良質な軟水を組み上げることができることからビールの醸造が特に盛んな場所として知られています。
Veltinsの歴史
Veltinsの創業は1824年。
Franz Kramerという人物が造った醸造所が歴史の始まりです。
その後創業者となるClemens Vertinsは完璧なビールを造るために6年間の旅を経験します。
その目的地にはアメリカビールの故郷とも呼ばれるMilwaukee(ミルウォーキー)も含まれていました。
Veltinsの帰郷後、Kramerは醸造所をVeltinsに売却します。1852年のことです。
醸造所は1824年から醸造をしていましたが、名前がVeltinsとなったのはおよそ30年後ということになります。
しかし醸造所の歴史としては1824年創業なので、Veltinsのボトルにも”Seit 1824”(1824年創業)と書かれています。
その後、創業者Clemensの息子2人が経営を引き継ぎます。Carl VeltinsとAnton Veltinsの2人の頭文字を取って、会社名をC. & A. Brauerei Veltinsに変わったのもこのときです。
この社名は現在でも変わりありません。
現在でも5代続く家族経営の醸造所としてドイツを代表とするビールブランドとしてその地位を維持しています。
Veltinsの見た目
ピルスナー特有の透き通った黄金色です。
炭酸は普通でシュワシュワ感が適度にあります。
せっかくなので醸造所がご近所同士であるWarsteiner(ヴァルシュタイナー)のピルスナーと比較してみましょう。
画像では色温度が若干違うのでなんともいえないですが、実物はVeltins Pilsenerのほうが若干薄めな色をしています。
泡立ちは両者とも互角。ピルスナーなので泡立ちは良いですがすぐ消えます。
それでは実際に飲んでみましょう。
Veltinsの味
ボトルの栓を開けてグラスに注ぎます。その時からすでに爽やかなホップの香りが軽やかに香ります。
まず一口目。
まず特徴的なのがその淡白な味わいです。
ピルスナーの特徴であるホップ由来の苦味からくる”キック感”は殆ど無く、驚くほどあっさりとしています。
中盤からラストにかけてホップ特有の風味がゆっくりと広がってきますが、ピルスナーとしてはかなりマイルドで落ち着いた感じです。
多少ホップ感が下の上に残ってかすかに香る程度で、飲み終えた後もとてもさっぱりとしています。
香りが落ち着いている分キレはしっかりとしていて後を引く感じはあまりありません。
モルト感やコクもかなり抑えられていて、飲みごたえよりもすっきり感を重視した味となっています。
Veltins Pilsenerは、さっぱりした風味と後に残らないキレが特徴のピルスナーです。
Veltins ビールレポート
ビール好き筆者なっしゅによるVeltinsの独断レビューです。
ビールカテゴリー – Bierstil | ピルスナー |
アルコール度数 – Alkoholgehalt | 4.8% |
麦汁比重 – Stammwürze | 11.5% |
発酵種類 – Gärung | 下面発酵 |
カロリー(100ml) – Brennwert | 167 KJ / 40 Kcal |
原材料 – Zutaten | 水・大麦・ホップ・酵母 |
ホップ感もかなり抑えられたすっきり感重視のピルスナーであるVeltins Pilsener。
アルコール度数は4.8%でピルスナーとしては標準的です。
Warsteiner Pilsenerと比較するとそっくりで、アルコール度数も同じです。
ただし味はWarsteiner Pilsenerのほうが香ばしいコクがあります。
Veltins Pilsenerはピルスナー特有の苦味をかなり抑えていてさっぱり感が特徴のビールのため、のどごしさっぱりめでキレのあるビールが好みな人、ホップのビター感が得意ではない方におすすめできるビールです。
まとめ
Veltins Pilsenerはとても淡白ですっきりとした飲み心地が特徴的なピルスナーです。
キレもありサラサラとしていてとても飲みやすいので、のどが渇いたときなどにグビグビっと飲みたいそんなビールでした。
変わったクセや苦味もなく落ち着いた味のビールなので、味の濃い料理などにも抜群に合うと思います。
日本のメジャービールであるアサヒスーパードライにキャラクターはかなり近いのではと感じました。
とは言っても、スーパードライよりはホップ感が多少強いですが、後味さっぱりでキレがあるという点では、かなり似ていると思います。
ドイツのメジャービールは、モルトのコクやホップ感を重視したビールが多いですが、Veltins Pilsenerはすっきり感を重視した珍しいピルスナーだと思います。
ドイツ国内であればどこに住んでいても見かけることが多いビールですので、ぜひ一度お試しください!
それでは最後までお読みいただきありがとうございました!
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