久しぶりに白ビールを紹介するなっしゅです。
ちょっと前に世界最古の修道院醸造所(1050年創業)であるWeltenburger Kloster(ヴェルテンブルガー)を紹介しました。
Weltenburger Kloster(ヴェルテンブルガー)について詳しくはこちら!
今回は醸造所として世界最古のWeihenstephan(ヴァイエンシュテファン)が造っている白ビール、Weihenstephaner Hefe Weissbierを紹介していきます!
Hefe Weissbierというのは白ビールの中でも無濾過のものを意味しています。
”Hefe”は酵母という意味です。
その他にも”Naturtrüb”、訳すと”無濾過の~”という言葉がありますが、どちらもほぼ同じ意味です。
さて、”△△初!”みたいなものは見方を変えればなんでもそう言えるような気がしますが、今回紹介するWeihnenstephan醸造所はビールの歴史においてとても大きな意味を持っています。
それもそのはず。Weihenstephanはなんと世界最古の醸造所なのです!
創立なんと1040年。
とはいっても、1000年も昔のことなので、こういった史実が本当にどうであったかはしばしば論争の的となります。
実際に醸造所として公式記録に登場したのは1675年だったという記録や、Weihenstephanの敷地内でホップの栽培が始まったのが725年だから歴史はもっと長いだとかいろいろな情報があります。
しかしあまりに昔のこと過ぎて当時の記録がない以上、実際にいつが醸造所の創立年であったのかは当時を知る人にしかわかりません。
Weihenstephanの公式では1040年が最も有力な創立年であることを公言しています。
ブランドとしても”Älteste Brauerei der Welt”(世界最古の醸造所)と謳っているので、ここでは1040年創立の世界最古の醸造所として取り扱うこととします。
Weihenstephaner Hefe Weissbier の紹介
生産地
Weihenstephan醸造所はミュンヘン北部近郊の町、Freising(フライジング)にあります。
地図を見ていただけるとおわかりかも知れませんが、Weihenstephanも実はバイエルン州が管理する州立の醸造所です。
州立の醸造所で有名なのがもう一つ。
そう、ミュンヘンビールの代表格である、Hofbräu(ホフブロイ)です。
Hofbräu(ホフブロイ)について詳しくはこちら!
ミュンヘン市内ではHofbräuだけが州立のビール醸造所でしたが、バイエルン州内にはまだ州立の醸造所があるのです!
さすがはビールの国ドイツ、ビールの国バイエルンです。
ちなみに小ネタですが、ここWeihenstephanにはミュンヘン工科大学(TUM)の研究施設(Wissenschaftszentrum Weihenstephan)も併設されていて、醸造及び飲料科学部(Brauwesen und Getränketechnologie)があります。
ミュンヘン工科大学ではビールを研究する施設まであるということです。
もう少し若ければ勉強してみたかった…笑
また、日本のビール大手メーカーであるキリンとも関係が深いようです。
いつだかキリンの工場見学に行ったときに、このWeihenstephanでビールを共同研究しているというような話を聞いたような気がします。
世界のビール研究の最先端であるということに間違いはなさそうですね。
ちなみにドイツで販売されているKIRIN ICHIBAN (キリン一番搾りの海外名)はここ、Weihenstephan醸造所製です。
さて、話をビールに戻します!
それでは実際にWeihenstephaner Hefe Weissbierを見てみましょう!
Weihenstephaner Hefe Weissbierの見た目
グラスに注いでみるとわかりますが、色味はかなり暗めです。
せっかくなのでドイツで人気No.1であるErdinger Weißbier(エルディンガー)と比較してみましょう。
Erdingerのほうはグラスにデザインが入ってしまっているので少しわかりにくいかも知れませんが、全体的に黄色味が強い明るい色です。
対して今回紹介しているWeihenstephaner Hefe Weissbierはオレンジー茶褐色のような色味で暗い色です。
どちらも同じ白ビールですが、やはりキャラクターは醸造所ごとにかなり違いますね。
それでは実際に飲んでみます。
Weihenstephaner Hefe Weissbierの味
白ビール特有の小麦由来のフローラルな華やかさがグラスに注いだ瞬間から漂います。
しかしながらErdingerと比べてみると、その華やかな香りは若干控えめな気がします。果物のような甘い香りの中に、モルトの香りもしっかりとあって、よりビールらしい香りです。
飲んでみるとやはりまず感じるのは白ビールのキャラクターであるフルーティーな香りです。
それでもその甘みと香りが強調されすぎることもなく、次第にモルト特有のコクが小麦由来のまろやかさの中に馴染んで混ざってくる、そんな風味です。
フルーティーさの中にもしっかりとモルト感が残っているがWeihenstephaner Hefe Weissbierの特徴とも言えるでしょう。
ちなみに、ホップ感はErdingerと同様かなり控えめです。ラストにふんわりとホップの香りを感じ取ることができますが、かすかに感じる程度です。
Weihenstephaner Hefe Weissbier ビールレポート
ビール好きの筆者なっしゅによるWeihenstephaner Hefe Weissbierの独断レビューです。
ビールカテゴリー – Bierstil | 白ビール |
アルコール度数 – Alkoholgehalt | 5.4% |
麦汁比重 – Stammwürze | 12.7% |
発酵種類 – Gärung | 上面発酵 |
カロリー(100ml) – Brennwert | 176 kJ / 42 kcal |
原材料 – Zutaten | 水・小麦・大麦・ホップ・酵母 |
白ビールなのでアルコール度数はピルスナーやヘレスといったラガービールよりは多少高めの5.4%です。
フルーティーな爽やかの中にモルトのコクがしっかりと活きていて、ビールを飲んでいるという充実感を存分に楽しむことができる、そんな白ビールです。
色味だけを見ると白ビールのDunkel(ドゥンケル)のようなよりこってりした味なのかと思うのですが、見た目とは裏腹にさっぱりとしたビールです。
白ビールの特徴であるきめ細やかで粘りのある泡と、なめらかな舌触りでフルーティーな白ビールは、どんな料理と付け合わせてもマッチすると思います。特に魚介や海鮮系の料理とは相性抜群です!
まとめ
1040年創業。世界最古の醸造所で造られているWeihenstephaner Hefe Weissbierですが、味はいたって標準的かつ現代的な白ビールでした。
なんとこのWeihenstephaner Hefe Weissbier、日本へも輸出されていて購入することが可能です。
Erdingerと比べて飲んでみるのも面白いので、見つけた方はぜひ一度飲み比べて見てください!
白ビール(Weißbier/Weizen)を楽しむためのおすすめのグラスはこちら!
それではお読みいただきありがとうございました!
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