”ドイツのビールは安い。”
こんな噂を耳にしたことがある人もいると思います。
これは本当です。ドイツのビールは美味くて安い。最高です。
もちろん購入場所やレストランなどによっては価格が上下しますが、スーパーで販売されているビールはどのブランドでも大体90セントくらいです。(2023年記事更新時1ユーロは約140円)
およそ130円ですね。ビール一本。日本とは比べ物になりません。
しかし最近ではインフレや原材料費高等の影響により少しずつ値上がりしています。
また、ドイツビールは醸造時の混ぜものを一切禁止しています。
いわゆる”ビール純粋令”ってやつです。
ということは…。
130円で混ぜもの一切なしの”生ビール”が飲めるということです!
(厳密には、日本のビールには米やコーンスターチが入っているものも存在するので”混ぜもの”が入っていますが、ここではわかりやすいように、発泡酒や第3のビールと異なる”ビールカテゴリー”のことと思ってください)
さすがビールの国ドイツですね。ビール好きには嬉しい限りです。
では本題です!
そんなビール激安の国ドイツで、最も安いビールはいくらでしょうか?
今回はそんな疑問にお答えするべく、ドイツ最安級のビールを紹介します!
Oettinger Pilsnerの紹介
ビールの国ドイツで最安級の価格
こちらがドイツ最安級のビール、Oettinger(エッティンガー)です!
今回はピルスナーを紹介していきますが、Oettingerはピルスナーに限らずヘレスや白ビールなど多種に渡るビールを醸造しています。
さて、見た目は普通のビールです。皆さんはいくらぐらいだと予想しますか?
気になるお値段は…
45セント。だいたい63円くらい(2023年2月時点)です。
これは私が普通にスーパーで買った時の値段です。
500mlが20本入ったケース買いの場合、お値段なんと7.39ユーロ。
1ユーロが120円だとして、900円でお釣りが来ます。
(2023年2月時点では円安が進み、1ユーロは約140円です。そのため約1,050円となります。それでも500ml × 20本で1,050円程度なので、安いことに変わりはありません。)
これは破格です。しかもセールではなく通常価格がこれです。日本ではまず無理です。
また、広告の品になるとこんな感じです。
ドイツ全土に展開する大手スーパーマーケット、REWEの広告にありました。
500ml 20本入り 5ユーロ。
一本当たり25セント(約35円)です。
爆安。
ちなみに、日本では2020年10月から施行された酒税法改正により、350mlのビールに70円の酒税がかかります。
税金分だけで、しかも500mlサイズが買えてお釣りまでくるレベルの値段です。どうしましょう。笑
とにかく安さが売りのOettinger。
そんなに安いと、気になるのがそのクオリティと味。
先ほどもさらっと書きましたが、ドイツには世界中のビール好きを唸らせる法律があります。
”ビール純粋令(Deutsches Reinheitsgebot)”
これです。細かい話は省きますが、ビールを造るときに水・モルト(大麦麦芽)・ホップ・酵母以外のもの入れちゃダメだよ。
ってやつです。もう500年以上も昔からあります。
ということは…
Oettingerももちろん、ビール純粋令に則って醸造されています。
そしてOettingerのスローガンは”Null teuer. 100% Qualität.”(高くしない。でも100%の品質。)です。
価格は安く、高品質が保証された、”究極のビール”とでも言えるのではないでしょうか。
生産地
Oettinger(エッティンガー)はドイツ南部バイエルン州西部、Oettingen in Bayernにある醸造所で造られています。
現在ではドイツを代表する”格安”ビールとして全国的に認知されているため、ドイツ国内のあらゆる場所に醸造所がありますが、生まれはバイエルン州です。
醸造所の創業は1731年。歴史もかなり長いですね。
戦後の拡販戦略策定以来、小売店や個人への直接卸しを徹底的に推進していることによって、無駄な中間コストを省き、価格を維持しています。
それにしても安すぎる。笑
見た目
さて、ここからはOettinger Pils(エッティンガーピルス)の紹介をしていきます。
見た目は若干色が薄いような気もするのですが、あくまでこれはOettingerのキャラクターだと思います。決して原材料が少ないとか、薄めているという理由ではありません。色合いはヘレスに近いと思います。
泡立ちは標準的なピルスナーです。最初はいい感じに泡が立ち上がりますが、いつの間にか消え去っています。
味
栓を開けた時の香りはピルスナーです。
しかし一口飲んでみて驚いたのが、ピルスナー特有のホップ感がすごく軽いところです。
確かに舌の上にホップの爽やかな苦味が残るのですが、全体的な風味はかなりヘレス寄りです。
軽いホップの香りの後に、モルトの香りが逆転します。
ピルスナーであれば、その特有の苦味が残るはずなのですが、モルトの風味が前面に押し出されてコクの際立った味となっています。これは面白い。ヘレスですねもはや。笑
値段を聞いてしまうと先入観が先行してしまい、”安酒”のイメージがどうしても拭えなくなってしまいますが、Oettingerはれっきとしたビールです。品質も味も問題ありません。
ピルスナーの苦味は苦手だけれど挑戦してみたいという方にはベストなビールかもしれません。
(何より安いですし、ドイツではどこでも手に入ります。)
Oettinger Pils ビールレポート
ビール好きなっしゅによるOettinger Pilsの独断レビューです。
ビールカテゴリー – Bierstil | ピルスナー |
アルコール度数 – Alkoholgehalt | 4.7% |
麦汁比重 – Stammwürze | 11.2% |
発酵種類 – Gärung | 下面発酵 |
カロリー(100ml) – Brennwert | 169 kJ / 40 kcal |
原材料 – Zutaten | 水・大麦・ホップ・酵母 |
Oettinger Pilsはピルスナーですが、見た目も味もかなりヘレスに近いビールです。
大抵のビールは、ボトルの裏面にもう一枚ラベルが貼ってあってそこに原材料などの情報が記載されているのですが、レポートの画像にあるように、Oettingerは一枚しかラベルがありません。
これもきっとコストダウンのためなのでしょう。
アルコール度数は4.7%。いたって標準的な強さです。
ピルスナーはホップの華やかな香りが特徴的なビールですが、Oettinger Pilsはどちらかというとモルトのコクを強く感じる味です。ヘレスとピルスの中間的な味わいが好きな方にはおすすめです。
これといった特徴はなく、いたって平凡な風味のビールだと感じました。
値段は通常のビールの半額ほどとドイツでは最安級で、全国的に有名なため比較的どこでも手に入ります。
まとめ
ビールの国ドイツの最安級ビール、Oettingerのピルスナーを紹介してきました。
60円程度で買えるビールなんてものが存在するから、”ドイツはビールが水よりも安い。”というような話も出てくるのだと思います。
(実際には同じ程度か水のほうがやや安い。)
Oettinger Pilsはピルスナーですが、ヘレスと中間的なキャラクターです。
特徴のが際立っていない平均的なビールが飲みたいときには価格も含めておすすめですが、純粋にピルスナーの爽やかなホップ感を楽しみたい場合は、Radebergerなど”ザ・ピルスナー”のようなビールをおすすめします。
また、日本で比較的入手しやすいドイツ産ピルスナーといえば、KROMBACHER(クロンバッハー)です。
2022年頃から、最大手スーパーチェーンであるイオンで取り扱いが始まったことを皮切りに、日本で見かける機会が大きくなったように思います。
KROMBACHER(クロンバッハー)の紹介はこちら!
異常なほど安い価格や、ドイツ人に吹き込まれたであろう先入観(笑)は一度横に置いておいて、ぜひ一度飲んでみてください。
”意外にいける!”と思う方がきっと多いと思います。
ちなみに朗報!
なんと日本でも手に入るようです!(輸入ビールなのでドイツと同じ価格ではないと思いますが、紹介した通り、味・品質ともに申し分ありません。)
ということで、もし見かけた方は是非手にとってみてください。
価格が安いビールだとしても、品質は他のドイツビール何ら変わりありません。
専用のグラスで飲んだら美味しさもアップ!ピルスナーの風味をより楽しめるおすすめのグラスはこちら!
兄弟ビールであるOettinger Helles(エッティンガーヘレス)の紹介はこちら!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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