バイエルンが誇るビールといえば、そうです。白ビール(Weißbier/Weizen)です。
小麦を原料としたビールで、その芳醇な香りと優しい口当たりが最高のビールです。
バイエルン州内にはそれはもう数多くのビール醸造所があって、様々なブランドの白ビールがあります。
世界的にも有名なのがミュンヘン郊外の町Erding(エルディング)で造られているErdinger Weißbier(エルディンガー)ではないでしょうか。
Erdinger Weißbierについて詳しくはこちら!
そんな白ビールの故郷バイエルンの都、ミュンヘンの白ビールも世界的にとても有名です。
ミュンヘンの白ビールブランドとしては、白ビール専門メーカーであるSchneider Weisse(シュナイダーヴァイセ)も世界的に有名ですが、醸造所はミュンヘンにはありません。
Schneider Weisseについて詳しくはこちら!
残るミュンヘンの白ビールメーカーといえば…
そうです。Franziskaner(フランツィスカーナー)です。
今回紹介するのは、Franziskaner(フランツィスカーナー)が造る最もメジャーな白ビール、Franziskaner Weissbierです。
ドイツ関連のイベントや催し物で必ずといっていいほど見かける有名なミュンヘン産白ビールで、日本でもきっとご存知の方が多いと思います!
Franziskaner Weissbier の紹介
生産地
早速なのですが、Franziskaner(フランツィスカーナー)は現在、その名前しか残っていません。
もちろん醸造しているのはミュンヘン市内なのですが、Franziskanerという醸造所は醸造所の統廃合によって独立して存在していないのです。
では誰が(どこが)醸造しているのかというと、ミュンヘン6大ビールのうちの一つ、Spaten(シュパーテン)です。
Spatenについて詳しくはこちら!
ミュンヘン中央駅近くにあるMarsstraße(マース通り)にあるSpatenの醸造所にてFranziskanerの白ビールも醸造されています。
これでもうおわかりだと思いますが、FranziskanerはSpatenと同じ醸造所のブランドであり、現在では世界の3割のビール生産量を誇るビールメーカーグループであるAnheuser-Busch InBevに属しています。
ちなみに、ライオンマークでおなじみのミュンヘン6大ビール、Löwenbräu(レーベンブロイ)もこのInBevグループです。
Löwenbräuについて詳しくはこちら!
さらにドイツ産ピルスナーで世界的に有名なBeck’s(ベックス)もなんとInbevの一員です。
Beck’sについて詳しくはこちら!
さすが世界の3割のビールを造っているだけあります。ドイツの世界的有名ビールブランドはすべて仲間でした。
世界規模の販売チャネルを持っているグループに属しているからこそ、日本のようにドイツから遠く離れた国でも、
ドイツのメジャービールが楽しめるということです。
Franziskaner の歴史
さて、少し脱線してしまいました。話をFranziskanerに戻します。笑
Franziskanerの創業は1363年、当時ミュンヘンで一般市民によって造られた初の醸造所、”Bräustatt bey den Franziskanern”としてその歴史が始まります。
その後ミュンヘン市域内で醸造所の移転等を行った後時は流れ、1922年にFranziskaner-Leist醸造所とSpaten醸造所が合併します。
今でこそ白ビールで有名なFranziskanerですが、白ビールの生産を始めたのは戦後復興の後である1964年です。この時初めてSpaten Champagner Weissbierという白ビールを発売します。
それまではMärzen(メルツェン)などのビールが中心でした。
その後白ビール販売網の拡大に成功し、バイエルン州内で人気の白ビールブランドとなります。
1984年以降はバイエルン州以外の他地域へも販売を拡大します。
つい最近までバイエルン州内のご当地醸造所であったということに驚きです。
そして2002年の年間総醸造量がついにビール業界で大手クラスの仲間入りとされる1億リットルを超えます。
その後2005年にSpaten-Franziskaner-BräuはInBevと合併をし、今日に至ります。
Franziskaner Weissbier の見た目
Naturtrüb(無濾過)なので酵母も入っていて、全体的に濁っています。
白ビールの中でもオレンジ色に近い濃いめの色をしています。
せっかくなので色味が比較的近いWeihenstephaner Weissbier(ヴァイエンシュテファン)と比べてみましょう。世界最古の醸造所ビールとの比較です!
Weihenstephaner Weissbierについて詳しくはこちら!
画像の明るさが均一ではなく多少異なって見えますが、ビール自体の色は同じような濃いめのオレンジに近い色です。
次にErdinger Weißbier(エルディンガー)と比べてみましょう。
Erdinger Weißbierのほうが黄色みが強く明るい色をしていることがわかります。
最後はおまけで、ミュンヘンにあるもう一つの白ビールブランド、Schneider Weisse(シュナイダーヴァイセ)のOriginal Weissbier (TAP07)と比較してみます。
Schneider Weisse Original Weissbier (TAP07)について詳しくはこちら!
まあこれはもう比較するまでもなくSchneider Weisse Original Weissbier (TAP07)が圧倒的に濃いですね。笑
それでもSchneider Weisse Original Weissbier (TAP07)はDunkel(デュンケル)ではなく通常の白ビールというカテゴリーです。
ということでFranziskaner Weissbierの見た目は若干濃い目のオレンジ色で、白ビールの中では中間的な色合いということがわかりました。
それでは実際に飲んでみましょう。
Franziskaner Weissbier の味
最初の一口目から白ビールの特徴である熟した果実のような芳醇な香りと味を楽しむことができます。
他の白ビールと比べていわゆる”バナナ感”は強めです。
ErdingerやSchneider Weisse Original Weissbier (TAP07)は口に含んだときこそその果物のような芳醇な味わいと甘みを味わうことができますが、ラストはモルト由来のコクと小麦由来の柔らかく優しい味に風味が変化していきます。
しかしFranziskaner Weissbierのフルーティーさはビールを飲み込むその時までずっと続きます。
そしてその芳醇でコクのある口当たりに対して、すっきりとしたキレが感じられるのも特徴です。
濃く芳醇。それでいてすっきりとした後味。というギャップが絶妙です。
白ビールの特徴である芳醇でコクのある風味を踏襲しているにも関わらず、後味がさっぱりしていて最後は軽い余韻がふんわりと香る、とても飲みやすいビールです。
グラスの底に溜まった酵母は少々土っぽい味がします。
飲み終える際には少しグラスにビールを残しておいて、酵母を混ぜてから飲み終えることをおすすめします。
Franziskaner Weissbier ビールレポート
ビール好きの筆者なっしゅによるFranziskaner Weissbierの独断レビューです。
ビールカテゴリー – Bierstil | 白ビール |
アルコール度数 – Alkoholgehalt | 5.0% |
麦汁比重 – Stammwürze | 11.8% |
発酵種類 – Gärung | 上面発酵 |
カロリー(100ml) – Brennwert | 180 kJ / 43 kcal |
原材料 – Zutaten | 水・小麦・大麦・ホップ・酵母 |
Franziskaner Weissbierは白ビールの特徴であるフルーティーさ、特にあの”バナナ感”が存分に楽しめるビールです。
アルコール度数は平均的な5.0%。
白ビールなのでホップの苦味はほとんど無く、芳醇な香りと味わいを飲み終えるまでずっと楽しめるため、ビールに苦味が苦手な方やビターなのが好きではない方にはぜひおすすめしたいビールです。
その芳醇なあじとコク、それに小麦が入った白ビールということもあってたくさん飲んでいるとすぐお腹がいっぱいなりますが、Franziskaner Weissbierは後味のキレの良さも特徴なので、最初の一杯にはうってつけのビールとも言えるでしょう。
まとめ
Franziskaner Weissbierはミュンヘンが誇る大人気白ビールです。世界的にも有名でもちろん日本でも飲むことができます。
少し前までは六本木ヒルズにSpaten-Franziskanerのバーがあったような記憶がありますが、今はどうなのかわかりません。(知っている方教えて下さい。)
お店がないとしても、輸入品を扱っているお店やデパート等で見つけることもできると思いますので、見かけた場合は是非飲んでみてください。
そのフルーティーな味わいにきっとあなたもFranziskaner Weissbierの虜になります。
白ビール(Weißbier/Weizen)を楽しむためのおすすめのグラスはこちら!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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